一般財団法人建設業振興基金は1975(昭和50)年に設立され、本年7月16日に創立40周年を迎えます。この間、顧客である建設産業界の皆様、そして建設産業の振興に関わるすべての皆様に賜りましたご支援とご協力に深く感謝申し上げます。
『建設業振興基金20年のあゆみ』は、基金設立前夜の時代状況について、「アメリカドルは、次第に相対的な価値を減じ、1973(昭和48)年国際為替における固定相場制の崩壊をもたらすに至った。」「(同年の)第一次石油ショックは、我が国社会にも大混乱を与えた。(中略)高度成長はもはや望めず、産業構造の転換が必然視された。」と、世界経済、日本経済が直面する大転換の姿を伝え、「建設業者のほとんどは中小企業であり、その経営は前近代的でひ弱な体質のものが多い」と、その中で翻弄されかねない建設産業界の危機感を伝えています。基金の設立がどれほど切迫した課題であったかが伺えます。
その後も、財政非常事態宣言(1982年)のもとでの「建設業冬の時代」、建設産業政策大綱(1995年)が指摘した「新しい競争の時代」、そして、失われた20年と言われる長期経済停滞の中での「歯止めのない過当競争の時代」と、建設産業は幾たびとなく厳しい状況に見舞われてきました。その間、基金が的確に建設産業を支える中核的機関であり続けられたのか、40周年は、原点に返ってきちんと点検し、次の時代に備える、そうした節目であると考えています。
40周年の先にある新しいステージを目指して、役職員一同、従前にもまして業務に励んで参ります。今後とも関係各位の一層のご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。