専門工事業者のイノベーションの具体例

●多様な建設生産・管理システムの形成

・新受注形態(デベロッパー等の自社施工、コストオン方式、異業種JV、CM方式等)における異業種連携

・塗装、防水、左官等の異業種の業者がチームを組み共同で元請となることにより、集合住宅の大規模なリフォームを受注

●経営力・施工力の強化

(1)競争力の強化〜コストダウン及び差別化・高付加価値化の推進

・いくつかの専門工事業団体が経営革新研究会を結成し、経営革新の情報交換や事例研究を実施

・くい打ち工事業者が約10社共同で新工法を開発するに当たり、大学の研究機関と連携

・左官、塗装、防水等の異業種の専門工事業者が設立したリフォーム専門の事業協同組合が診断サービスやリフォーム企画・提案等を実施

・型枠工事業者が施工前に元請と施工方法等につき協議し、コストダウンの意見提案

・専門工事業者が単独で、廃材を再利用し、環境問題に対応する新工法を開発し、工期短縮、コストダウン等を実現し、受注を拡大

ガス圧接関係団体がISOに準じたマニュアルを作成、組合員がこれに準じて業務を行うことにより、品質を向上

・外壁塗装関係団体が外資系の損保会社と提携してリフォーム工事に関する瑕疵保証制度を構築、リフォームの元請受注に進出

・ステップアップ指標の活用 *空調設備工事業、金属製内外装工事業、くい打ち工事業、計装工事業等において、技術力を活かして海外進出。

・金属工事業者が海外の資材業者の情報をインターネットで直接発注することにより建築資材の海外調達を実施

(2)競争力強化のための新たな組織のあり方

・塗装、防水、左官等の異業種の業者がチームを組み元請となり、総合リフォームに対応したり、電気設備業者、空調設備業者、内装仕上業者、設計事務所が業務提携して、リフォームに対応

・鉄筋ガス圧接工事業者約40社が連携して営業活動を強化するとともに、大規模な土木工事の下請に参入するため2〜3者が連携して施工能力をアップ

・地元の鉄筋工事業者の協業連携として、1社が受注・契約した上で、施工を数社が共同分担して行うことにより大規模な工事に対応

・住宅設備設計会社がメーカーと協力して使用資材の規格化や工法開発に取り組み

・ガス圧接関係団体が大学の研究室に資金を拠出し、鉄筋のガス圧接の技術を応用したパイプ圧接の研究を実施

・地場工務店の事業協同組合が工法を標準化し、環境等にやさしい住宅のブランド作りに取り組み

・従来は異なる業者が行っていた塗装工事と防水工事を一括で請け負い、多能工を使って職種間の工程調整、管理等を合理化してたロスのない施工で生産性を向上

(3)新分野進出

・塗装業者が防水工事業、左官業等の許可も取得して総合リフォームに進出

・外壁塗装関係団体が外資系の損保会社と提携してリフォーム工事に関する瑕疵保証制度を構築、リフォームの元請受注に進出

・塗装、防水、左官等の異業種の業者がチームを組み共同で元請となることにより、集合住宅の大規模なリフォームを受注したり、電気設備業者、空調設備業者、内装仕上業者、設計事務所が共同でパンフレットを作成するなど営業面で業務提携した上で、施工も共同で行うなどしてリフォームに対応

・左官、塗装、防水等の異業種の専門工事業者がリフォーム専門の事業協同組合を設立

・専門工事業者がリフォーム子会社を設立して営業活動を行いつつ、本社の施工部隊と協力してリフォームを受注

・衛生の分野で、設備業者が元請、建設会社が下請になる方式

(4)専門工事業における情報技術(IT)の活用

・インターネットを活用し、資材を海外市場から調達して、コストダウンを実践

・発注情報をデータベース化し、営業や価格交渉に活用

・海外に進出した場合を含め、設計図、見積もり等をインターネットでやりとりし、効率化

(5)業界団体の新たな役割

・外壁塗装関係団体が外資系の損保会社と提携してリフォーム工事に関する瑕疵保証制度を構築、リフォームの元請受注に進出

・ガス圧接関係団体がISOに準じたマニュアルを作成、組合員がこれに準じて業務を行うことにより、品質を向上

・経営者研修などへの取り組み

・地質調査関係団体が特定の会員の先進事例をとりあげ、それをやる気のある会員にフィードバック、提案。

 

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