こんにちは建設マスターさん


 
建設マスター第3回受彰者 電気工

椎名 紀夫(50歳)さん (株)おぎでん(埼玉県)

 電気工事というと、建物躯体ができ上がったあとの仕事というイメージがある。でも最近は、建築の工程に沿って同時に進めることが多くなった。

 特に、床スラブに配線のための管を埋め込むことが多いので、鉄筋を組む前に設置しておく必要がある。コンクリートを打ってしまったら終わりで、手直しは不可能だ。「管を施工したあとの配管ルートのチェックは重要でミスは許されない」と、椎名さんは強調する。

 加えて最近は、単に電気配線ではなくコンピューターのLANの構築などでどんどん複雑・高度化してきた。複雑な配線を間違いなく施工するには、図面を見るだけではなく、図面を読み込んで、よく理解しないとできない仕事だ。実家が電気工事店を営んでいたので、大学生時代は休みの日に手伝ってきた。大学卒業後、違う仕事に就いたが、しばらくしてこの世界に入った。心の中に電気工事への愛着があったのだろう。
きっちりした仕事を、が持論  

 25年の経験を通して得たことは、顧客の要望に沿って、仕事をきちんと成し遂げることと、しっかりした仕事をすることだ。どんなに予算が厳しくても、仕事のレベルは決して下げなかった。それが評価され、次の仕事を生んできたと、椎名さんは振り返る。電気工事に対する情熱と自分の仕事への誇りがなくてはできないことだ。

 「きちっとした仕事をしていれば表彰されるものなんですねえ」。建設マスターをはじめ、各種の賞を受けたことをこう喜ぶ。自分がしてきた仕事に対する確かな自信が伝わってくる。

  現場では、入念に打ち合わせる
 最近は管理業務が中心になってきた。発注者等との打合わせで忙しくしながら、毎日、複数の現場を回り若い職人さんたちを指導する。指導の根幹はやはり「しっかりした仕事をすること。次の仕事を生むような仕事をしろ」だ。

 資格取得の支援にも熱心だ。自分の経験からも、現場で働いているとなかなか勉強の時間が取れないのが悩みだった。「できるだけ時間をつくってあげたい」と親心をみせる。

配管のチェックに厳しい目を向ける 暗い所はライトを照らして点検
     
 

資料提供:EAST TIMES 2002年2月号(発行所 東日本建設業保証株式会社)

 
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