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白石 憩(50歳)さん 日豊土木(有)
(東京都)
シールド工事とは、筒状の掘削マシンでトンネルを掘り進んでいく工事を指す。地下世界の仕事で一般の人には馴染みは薄いが、建設業の中で最も機械化・自動化が進んだ仕事で、最先端の技術が駆使されている。
そんなシールドマシンのオペレーターとして運転制御するのが白石さんの仕事だ。運転制御だけでなく機械の搬入・据付け、実際の掘削までシールド工事の一連の仕事をこなす。全国3,376人の建設マスターのうち、わずか19人しかいないシールド工のマスターの一人である。
「シールド工事は、確かに自動化が進んでいますが段取りが大変です」と白石さんが話すように、最先端の工事ではあっても、実際に掘進が始まるまでは多くの労力が必要になる。
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運転制御は経験がものをいうと話す |
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まず、立坑とよばれる垂直の穴を掘り、そこに工場製作したシールドマシンを搬入して組立てをしなければならない。もちろん、安全に工事するための仮設設備、シールドマシンの後方設備も必要だ。こうした準備をしてようやく発進となる。
マシンの運転は高度な熟練が要求される。白石さんは、「計画通りに掘進するには、いくつもあるジャッキの力を緩めたり抜いたりするパターンの選択が重要で、こればかりは経験がものをいいますね」という。
マシンの運転・姿勢制御では技術開発が進んでいるが、「いやあ、機械なんかには負けませんよ」と、白石さんは少々自慢気だ。
この世界に入って23年。今では実際のオペレーターに加え、若手の指導の役割を担う。
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マシンの掘進状況は地上の事務所で把握 |
現在、携わっている仕事は、世界初の技術を駆使したシールド工事。
「世界初のマシンを使用するとなれば、やはり緊張する。しかし、まず勇気をもって使うこと」と、若手に指導している。昨年12月16日、待望の発進式を迎えた。
白石さんは、これまで自分が培ってきたものを、後輩にできる限り伝えていきたいと、若手の育成に情熱を傾ける毎日だ。
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シールドの運転台で若手の指導が続く |
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シールドマシーンのカッター部。
発進に備えた準備 |
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