こんにちは建設マスターさん


建設マスター 第4回受彰者 コンクリート工

阿部 幸雄(59歳)さん クリエイトシステム(株)(埼玉県)

 コンクリート工事は、構造物の構造・品質に直結する重要な役割を担う。阿部さんは、33年も携わってきたが、「自分一人ではできません。他の職種の方々と連携し、共同作業があってはじめて可能になる」と話す。他の職種とは、鉄筋工や型枠大工のことで、鉄筋工の方が鉄筋を組み、型枠大工さんが型枠を組んでコンクリートの打設が可能になるのだ。

 自分勝手に作業すると、連携は保てない。その結果は、「いい建物はできない」。品質に直結し、工事の安全確保にまで影響をあたえてしまう。そのため、常に周りの職種とコミュニケーションをとり、品質や安全性にこだわってきた。 コンクリートを打設しても、その状況は型枠を取りはずすまで目にすることができない。その間は、期待と不安が交錯する日が続く。そしてコンクリートが固まり型枠を取りはずす瞬間は、最も緊張するときだ。型枠を開けてイメージ通りに仕上がったコンクリートを見た瞬間の喜びは大きい。

モットーは連携と共同作業  
 コンクリート工事も経験がものをいう仕事だ。特に、どんな方法・手順で打設するかは、元請けのゼネコンと協議して決まるが、工程上も重要な要素になる。

 阿部さんは、街を歩いていて建設現場があると、つい覗いてしまうほど、常に仕事を意識している。

 33年間でコンクリート工事の進歩を肌で感じ取ってきた。かつては生コンを積んだ一輪車を手押しして打設していた。今はポンプ車から圧送して打設するのが一般的だ。操作や生コンの吐出量は、コンパクト化した装置を胸から下げて遠隔操作できるまでに便利になっている。もちろん、安全については最優先している。

  現在の仕事場は東京大学キャンパス内
   
 阿部さんの悩みは、若い人たちがコンクリート工の世界になかなか入ってきてくれないことだ。「朝は早いし打設に区切りがつかないと帰れない仕事です。しかし、ものづくりの喜びや充実感を味わえます」と若者のチャレンジを期待する。

技術の進歩で打設はリモコン操作に 高品質のコンクリート打設へ職人を指示する
     
  資料提供:EAST TIMES 2003年9月号(発行所 東日本建設業保証株式会社)
 
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