こんにちは建設マスターさん


建設マスター 第8回受彰者 多能工

柿崎 隆雄(53歳)さん 飛松建設(株) (神奈川県)

 車両系建設機械(整地運搬、解体用)、高気圧作業、電気の取扱(低圧)、軌道動力車の運転、ずい道覆工作業主任、安全衛生責任者など、柿崎さんは建設に関連する資格を十数種類、保有している。保有しているだけではなく、資格を持つ仕事をほとんどこなしてきた典型的な多能工だ。

 柿崎さんは、「まだ資格が問われない時代に、建設会社の友人に頼んで建設機械を運転していました。そのうちに面白くなり、この世界に入りました。以来30年余、半分程度は建設機械を操作してきました」と話す。さまざまな現場で仕事を手掛けるうちに、「あの仕事もやってみたい」といった興味と意欲が湧いてきて、次々に資格を取るようになったという。

さまざまな仕事に携われるのは幸せ!  
 現在の仕事場は、静岡県内のトンネル建設現場。上下2本のトンネルが造られている。柿崎さんはトンネル周辺の整備を中心に作業しており、工事用や本線の道路、掘削で発生する土砂を処理する盛土場、調整池などの建設に関わっている。

 この現場では、主にブルドーザー、バックホウ、キャリーダンプなどといった重機の運転で、盛土場の急傾斜の法面の整地でバックホウを自在に操っていた。バックホウは、簡単に“8の字”を描けるように操作できれば一人前だそうだ。

 「若い人に教えなければならない立場にもあるのですが、機械操作の変化などが著しくなかなか難しい。例えば、私の若いころのバックホウの運転は、両手両足を駆使して6本のレバーを操らなければならなかったが、今は2本のレバーで済むのです」と苦笑する。

  急斜面の作業は気を抜けば命にかかわる
   
 「現場を見た段階で、その現場の危機ポイントとネックとなる要素を見抜き、事前に対策を考えると共に施工のプロセスから完成までをイメージして作業を進める能力のある人だ」と、元請会社所長の信頼も厚い。



時には機械が使えず人力に頼ることも 2本の操作用レバーを楽々と操る
     
  資料提供:EAST TIMES 2004年1月号(発行所 東日本建設業保証株式会社)
 
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