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古沼 克雄(53歳)さん 日本道路(株)(東京都)
道路は、生活に欠かせないインフラ施設だ。耐久性を高めるために、表面をアスファルトやコンクリートで築造する舗装が古沼さんの仕事だ。
舗装は、機械化が進んでいる仕事だ。アスファルトを敷き均すフィニッシャー、これを転圧するローラー、さらに仕上げのタイヤのローラーというように、大小の機械が導入されている。
大型機械の運転と施工管理が現在の主な仕事。運転に欠かせない資格は、今、30近くを保有している。常に資格証を携帯している必要があるので、それらを収めた分厚いファイルを持ち歩く。
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奥が深い世界と語る |
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昭和46年にこの仕事に入ったとき、先輩から二つの教えがあった。一つは「器用貧乏」になれ、もう一つは「体で覚えろ」だった。器用貧乏とはどんな機械でも扱えるようにという意味だ。体で覚えるため、仕事が終わった後、1人で運転の練習をして身体に染み込ませた。
「簡単なようで難しい。20種類以上の機械を扱えるには、10年はかかります」と言う。それでも「定年のとき、果たして100%満足できるかどうか。おそらくまだまだと思うでしょう」と言うほど奥が深い世界とか。
だが、かつての修業の日々があって今がある。機械化が進んだ今日でも、先輩の教えを継承し、後進の指導の根幹に据える。
東京湾横断道などの大規模な現場を経験してきた。しかし、道路舗装には、交通を規制しての工事や夜間作業など複雑で特殊な工事も多い。交通渋滞に怒ったドライバーに、空き缶を投げつけられたり、罵声を浴びせら
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機械化の進んだ舗装工事 |
れたこともある。そんな時にも怒りをグッと抑えて工事に万全を期してきた。夜の仕事となると、睡眠時間は昼間の仕事の3分の1くらいだ。さらに、高温の材料を扱うので、夏場の3カ月は地獄の月といわれるほど厳しい世界だ。
それでも仕事を続けられたのは、自分たちが造った道路を「車は安全に、人は安心して利用できる」ことを見たときの喜びからだ。それを実感した時、工事の苦労も癒される。
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