こんにちは建設マスターさん


建設マスター 第7回受彰者 造園工

関塚 光子(51歳)さん (有)関塚造園土木(東京都)

 全国で2,400人あまり誕生している建設マスター。そのうちわずか2人しかいない女性マスターの1人だ。

 「あとに続いている女性の励みになれば」と、受彰の喜びを語る。特に造園は、女性の進出が多い仕事の1つ。今後の期待は大きい。

 造園は、簡単にいうと庭園や公園を造り、緑で彩る仕事だ。でも、それほど単純な仕事ではない。

 「庭を造るのも、ただ樹木を植えるだけではありません。池があれば土木の仕事になるし、そこに東屋があれば建築の仕事もします。だから、大工工事から左官工事まで何でもします」というように、万能な技が必要な世界だ。

仕事は子育てと同じと言う  
 しかも、きめ細かな配慮が欠かせない。例えば、植樹の際、「針葉樹は西に、落葉樹は東に」といわれるのは、夏は西日を防ぎ、冬場は暖かい光を取り込むための工夫で、繊細かつ根気がいる仕事だ。

 そんな仕事を「ちょうど子どもを育てるような感じで、生みの苦しみ、育てる楽しみです」と表現するのは、女性ならではの感覚だ。つくるのは大変でも、できあがったあと、手入れをしながら成長を見守っていく過程が、ちょうど育児に似ているという。もったいない気もするが、枝1本を切るのも何年か先を考えてのことだ。

  土木の技術も要求される
 この仕事に入ったのは、サラリーマンを辞めたご主人が創業してからだ。「キミにも手伝ってほしい」といわれたのがきっかけだった。昭和58年に建設業許可を取得して、本格的に始めた。もともと箱庭をつくるのが好きだったので、上達も早かったようだ。造園一級技能検定にも合格し、現在、ご主人と二人三脚の日々が続く。

 造園の仕事をしていくと、親戚?がどんどん増えていくらしい。頼まれた家の庭ができ上がっても、その後も手入れのための付き合いが続いていくからだ。近くにいくとつい立ち寄ってしまう。

 「京都の庭園を回ってみたい」と言う。造園関係者にとって、日本庭園が多い京都は、いわば聖地。その庭を見て、今後に生かしたいと、夢は広がる。


石貼りは繊細で熟練した技が必要だ 鋏は片手を動かすことがポイント

  資料提供:EAST TIMES 2001年6月号(発行所 東日本建設業保証株式会社)
 
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