こんにちは建設マスターさん


建設マスター 第10回受彰者 塗装工

佐藤 昭朗(53歳)さん (株)サカクラ(神奈川県)

 構造物が錆びたり劣化しないように保護して、寿命を延ばすのが塗装の仕事だ。塗装方法は、刷毛を使ったりローラーで塗ったり、吹付けたりとさまざま。時には車のボディのように、高い精度が要求される。

 佐藤さんがこの仕事を始めたのは、昭和38年。元々は橋梁塗装が専門だったが、この20年近くはマンション改修の仕事が多い。

 塗り方は基本的に同じでも、橋梁と住宅の塗装ではだいぶ違うという。マンションの場合は、居住者がいる中で仕事しなければならない制約が伴う。だから安全は最優先だし、居住者の迷惑にならないようにしなければならない。

塗装は総合仕上業と話す  
 塗装は、圧倒的に技能の差がでる厳しい世界だ。その差は、粘度を調整する希釈(シンナーで薄める作業)に起因する。希釈をきっちりしないと、塗装にムラが出て仕上がりが悪くなるのだ。塗料の進歩は著しいうえに、希釈は温度、湿度が微妙に影響するので、的確な判断と対応が求められる。

 近年、塗装業界も変革の時代を迎えた。時代の要請は診断や下地処理などを含めて一貫かつ総合的にニーズに対応することだ。「総合仕上業への転換が必要だ」と、佐藤さんは強調する。

  職人の指導などが今の仕事
  塗装の世界は、かつては「天井を刷毛で塗ってポタポタ落とすな」と鍛えられた。もし落とすとひっぱたかれることもあったとか。いまはそんな時代じゃないと笑うが、厳しく仕込まれ培った技は本物だ。

 現在の仕事は、実際の塗装から離れて管理の仕事が中心。「協力会社を指導しながらいい方向に誘導したい。業界全体のレベルアップに貢献したい」と今後を見据える。


検査は触って入念に確かめる 劣化した箇所は叩けば分かる

  資料提供:EAST TIMES 2001年9月号(発行所 東日本建設業保証株式会社)
 
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