事例01

地域で学べるICT土工研修、
フォローアップで定着を図る

MC ブルドーザの運転実習

UAV 測量に取り組む受講生

熱心に講義を聴講する受講生

連携体の概要

(一社)群馬県建設業協会
所在地:群馬県前橋市
事業管理者:(一社)群馬県建設業協会
会員数:278社
HP:http://www.gun-ken.or.jp/

(一社)群馬県建設業協会(群馬県)

・建設現場の担い手にICT導入に必要な知識・技能を習得させるに当たって、現場を抱えていても無理なく受講できる研修を企画した。
・継続的なフォローアップにより、研修参加者が習得した内容が、各建設企業の社内や地域において確実に広がり、定着していくことを目指している。

ICTについての習得機会が不十分である地域の実情

 建設現場の生産性向上を目的に、ICT(情報通信技術)を全面的に活用したi-Constructionの取組みが全国的に加速している。地域の建設企業にとって、少子高齢化を背景に人材不足が懸念される中、ICTを導入し活用していくことは、経営上必然の取組みとなりつつある。
 建設企業が、ICT導入の効果をどれだけ得られるかは、従業員が必要な知識と技術をいかに習得できるかにかかっている。ところが、講習会やモデル工事現場の見学会など、国や自治体が実施するICT導入の後押しはあるものの、大都市から離れた地域では、それらへの参加機会は限られがちとなる。また、知識や技術の新規性が特に高い場合などは、既存の講習会等だけでは具体的な習得に結びつかないという状況もある。

現役の技術者が地域で無理なく受講できる研修を実施

 そのような状況を鑑み、(一社) 群馬県建設業協会は「地域の技術者は地域で育てる」ことを基本的な考えとした、会員企業の従業員が受講しやすい、「ICT土工研修」を企画・開催することとした。
 i-Constructionの全体像の理解に始まり、起工測量、3次元モデル設計から出来高管理まで、ICT土工について一連の流れを学ぶこの研修は、講義と実習を交えた合計5日間のカリキュラムを連続で実施するのではなく3つのセッションに分けていることが特徴である。1~2日程度の講習に分散して県内で開催することで、日々現場の業務に当たる現役の技術者たちが、無理なく受講できるようになっている。

フォローアップの継続的な実施でICT土工の定着を推進

 平成29年度には第1クール、第2クールと、2回のICT土工研修を実施。延べ34名が受講し、どの参加者も、現場の業務を抱えつつICT土工の知識・技術の習得やスキルアップに取り組むことができた。
 この成果を踏まえ、同協会は今後研修参加者が習得した知識・技術を社内に広げ、他社とも刺激し合うことで、地域の建設企業に広くICT土工を定着させたいと考えており、具体的な取組みとして、研修参加者全員が参加する「フォローアップ研修」の、継続的な実施を計画している。その計画にあたり、研修参加者や各建設企業の経営者らが随時情報共有や意見交換を行える専用Webサイトを開設するなど、より効果的なフォローアップ体制が整うよう、準備を進めている。