事例02

実践訓練の動画を映像教材化
Web配信で継続学習を支援

群馬県沼田市にある「利根沼田アカデミー」。廃校となった小学校の施設を活用し、平成28年に開設された

安全管理などを徹底するため、各コースとも建設業全般に活用できる基礎訓練を実施する。写真は足場上を歩行する訓練の模様

訓練施設を用いた実技訓練は、それぞれの業種に合わせた内容が設定されている。写真は板金技能コースの訓練の模様

連携体の概要

(一社)利根沼田テクノアカデミー
所在地:群馬県沼田市
事業管理者:(一社) 利根沼田テクノアカデミー
構成員:(株)テクノアウター、(株)マツザワ瓦店、(株)関工務所、(株)菅原設備
HP:http://www.t-academy.jp/

(一社)利根沼田テクノアカデミー(群馬県)

・技能訓練校において、短期育成の実践訓練の様子を動画撮影。その映像から手本となるものを編集・加工しリカレント教育の教材として活用。
・制作した映像教材を、技能訓練校での教育だけでなく、普段の仕事の中での学び直しにも活用できるよう、Webで視聴できる仕組みの整備を計画。

登録基幹技能者を目指す若手に継続的学習の環境を整備

 (一社)利根沼田テクノアカデミーは、平成28年4月、群馬県沼田市に開設された短期育成型の技能訓練校である。同アカデミーの技能訓練は、まず板金、瓦と2つのコースでスタート。開校翌年度の平成29年度には大工、設備の2コースが加わり、平成30年度にはさらに左官コースも加わることが決定している。また、同アカデミーは平成29年5月、同じ沼田市内にドローン技能訓練校も開設している。
 第1期、第2期の技能訓練修了生たちは、すでに第一線の戦力として、各地の建設現場を担っている。この成果を踏まえ、同アカデミーはさらなる取組みとして、送り出した若手職人たちが、現場の中核となる「登録基幹技能者」を目指し、継続的に学習できる環境の整備に着手した。

実践訓練の動画を編集・加工し映像教材として活用

 具体的な取組みとして、(一社)利根沼田テクノアカデミーは第1期、第2期の技能訓練校修了生、ドローン技能訓練校の修了生、及び中堅の経験者を対象に、リカレント教育の実施を計画している。
 このリカレント教育のカリキュラムは、技能ごとに映像教材を活用した講義・訓練を組み込んで構築される。同アカデミーは平成28年度、29年度に実施した、板金、瓦、大工、設備各コースの実践訓練の様子を動画で撮影しており、これらの動画から手本となるものを編集・加工し、リカレント教育の訓練教材として活用することとしている。ドローン技能訓練についても、ドローン操作の上級者による上空撮影映像を教材とし、定期的にリカレント教育を実施する計画である。

教育終了後も随時学べるよう、Webで映像教材を配信

 同アカデミーでは、映像教材を見ながらすでに習得した技能が実践で活かされているか等を検証し、訓練を進めるカリキュラムを検討している。さらにリカレント教育終了後も、受講者が引き続きいつでも映像を視聴し、学習できる環境を提供したいと計画しており、具体的には、受講者誰もが、スマートフォンやタブレットでもアクセス可能なWebアプリケーションを使い、映像教材の動画を配信するシステムの整備を進めている。これにより、現場に行く前のわずかな時間や休憩時間でも、繰り返し動画を確認できるようになり、職人に日頃から、「何度でも見て覚える」学習習慣が根付くことが期待される。