事例05

中堅技術者のレベルアップを
図る教育カリキュラムを構築

岡山県土木施工管理技士会のホームページ。各種講習会には、ホームページから申し込める

講習会には多数の中堅技術者が参加。参加者同士のコミュニケーションも図られた

専門の技術者を講師に招き、実践的な技術等を教示した講習会の様子

連携体の概要

岡山県土木施工管理技士会
所在地:岡山県岡山市
事業管理者:岡山県土木施工管理技士会
正会員:1,341人
HP:http://gishi-okayama.jp/

岡山県土木施工管理技士会(岡山県)

・現場の担い手が、一人でも多く必要な学び直しや訓練の機会を得られるよう、土木施工管理技士の任意団体が、講習会の拡充に取り組んだ。
・中堅技術者を対象に、現場のリーダーとして必要な資質を身につけさせる、専門的かつ基本的な技術・能力を習得する教育プログラムを構築した。

一人でも多くが学べるよう、技術講習会の拡充に着手

 岡山県には建設企業が約6,600社あるが、6,470社・98%と、そのほとんどを占めるのが従業員数35名以下の企業である。従業員数5名以下の企業に絞ってみても、4,691社・71%にものぼっている。
 このように、同県の建設産業は、多数の中小・零細建設企業によって支えられている。だが、これら経営規模の小さな企業は、費用や業務対応との兼ね合いから、自社で教育訓練を実施するのは難しい状況にある。また、大手企業の協力会社になっていないと、技術者が現場経験を通じて学ぶ機会が少ないのも実情である。こうした状況から、岡山県土木施工管理技士会は、一人でも多くの技術者に、必要な知識や技術を習得できる機会を提供しようと、同会が行う技術講習会の拡充に着手した。

現場での役割が大きい、中堅技術者のレベルアップを図る

 同会は、これまで主に土木施工管理技士有資格者の技術力向上を目的とした講習会を実施してきた。今後、その拡充とともに、平成30年度から新たに中堅技術者に焦点を当てて、専門的かつ基本的な技術・能力を習得させる教育カリキュラムを実施することを計画している。 今、現場で中堅と呼ばれる人材は、景気低迷期の採用で人数が少ないこともあって、ひときわ大きな役割を担っており、それを的確に遂行できる資質が強く求められている。今回、同会は中堅技術者向けの教育カリキュラムを、営業戦略、客先訪問時のマナー、理想の上司像といった「現場代理人の心構え・マナー」をはじめ、「施工計画」、「測量」など全7課で構築し、現場のリーダーに必要な資質が、短期間(3日)で身につくよう実施する予定である。

ベテランの持つ豊富な経験・知識を、次世代の育成に活用

 新たな教育カリキュラムの構築にあたっては、実際の経験にもとづいた、本当に必要な現場の知識を習得できるように、という会員企業の声を反映させた。講師については、大手企業等に在職して様々な現場を経験し、定年退職後地元へ戻った元技術者に依頼する予定で、ベテランの持つ豊富な経験・知識が、次世代の育成に有効活用される。また、中小・零細建設企業の従業員は、日頃仕事の悩みや疑問を相談できる相手や機会が少ない。そこで同会は、講習会を、講師や参加者同士がコミュニケーションをとる場としても活用したいと考えている。