1950年の創業以来、地域建設業として、公共事業の土木工事とともに、地域災害への復旧工事を実施。地域の要望に応えながら成長してきた。
IT時代に求められる情報化施工、CIMに挑戦し、また地球環境時代のヒートアイランド技術として、美装塗装や土系舗装工事も手がけている。

1.経営改善の契機:
材料を一括購入して、業者との単価交渉を一手に行う全社的なトータルマネージングをしていた71歳の高齢の番頭が病気で倒れて退職。社内は大混乱。ベテランが退職して、危機的状況に陥った。2002年に経営承継。個人にノウハウが集積しており、会社ではないという現状を認識。頼っていた人物がいなくなったことによってはじめて組織的な課題に直面。情報が会社にではなく、個人に依存(属人化)していた。

2.具体的な取組:

・まずBCPにおいて会社の弱点を認識することに着手。そこで国土交通省の新評価制度が出てきてから、利益率が下がっていることが判明。品質評価できていないから、利益率が下がってきていることが明確になった。
・会社のBCP(事業継続計画)、CIMを実現するため、前職のゼネコン時代の元上司を技術部長として招聘。世代を超えて、生産性向上を目指し、情報化施工に対応する技術開発を手がける。
・公共工事が9割を占めているので、提出書類が膨大で、証拠書類でもあることから、それならば紙媒体の書類よりも映像の方がわかりやすいのではないか、小規模建設業の工事規模に見合うのが映像CIMだと考えた。
・いろいろとクリアしないといけない問題はあるが、映像技術が発達して扱いやすい情報媒体になってきて、今後も普及していくと見ている。タイムラプス機能などを活用して、そのノウハウを社内で蓄積中。

3.今後の展望:
・社員の意識を方針、方向性と一致させることが課題。新年度の比較的工事量の少ない時期(4~8月末まで)に技術習得などの勉強会を開催。

■映像技術を活用した(映像CIM)現場管理
・事業継承時は、経営危機に瀕していた。そこでBCPに取組み業務改善。さらにIT技術に詳しい経営者は、映像技術を活用(映像CIM)による現場管理に取り組む。
・社長がゼネコン在職時の先輩を技術部長として迎え入れ、中小企業でもコスト面で導入可能な映像CIMをはじめとする各種のICT施工を手がける。

■映像CIMの多様な活用で現場管理
・映像CIMによる、安全管理や品質確保、施工の可視化、保有技術の知的財産化などを実現する映像活用技術を構築中。従来の記録では残らない作業の過程を映像により保存・記録するため、タイムラプス映像を用いることで、作業工程の振り返り、可視化を実現した。公共工事受注が9割を占めるため、膨大な提出書類を、将来的には映像で代替できるように活用事例を蓄積中。

■高い技術力で実現した工事成績評定における高得点
・流通の要衝、小牧市に位置するため、41号線バイパス拡幅工事では、通行を供用しつつ、歪ゲージの活用などの高度な技術力で、工事成績評定で高得点を得ている。

■女性の視点で新技術開発や現場の安全チェック
・企画開発部長(経営者夫人)による地球温暖化対応の新技術、涼感塗装を開発。また、安全面でも女性的な生活者としての視点で、社内から映像による現場のチェック体制を実施。
・単に地元でトップになるための技術開発ではなく、同業者とのオープンな連携で切磋琢磨し合い、建設業における高い技術力の実現を目指す 。



事業者プロフィール
事業者名 可児建設株式会社 ― 情報化施工 ―
住所 〒485-0041   愛知県小牧市小牧5-711
TEL 0568-77-5355
代表取締役 可児 憲生
資本金 -
URL http://kani-kk.co.jp/
業種 -
世代交代時社長の年齢 -
売上高 -
公共・民間の比率(完工高ベース) -
社員数 -
常用外社員数 -
平均年齢 -
平均勤続年数 -
定年退職年齢 -