全国平均の10倍程度の人口が減少するなど、香川県の職人の高齢化と入職者不足の減少が深刻化しているなか、日本の建築物に関する知識・技術を身につけ、日本の職人文化やものづくり文化を担う職人技能者を育成することを目的に平成28年度開校。地元高松市塩江町を発信地とし、地域の方々とのふれあいを大切にし、地元の活性化をも目指している。

1.経営改善の契機:
職人の高齢化と入職者の減少が加速するなか、危機感を抱いた創立メンバーが、世界に誇れる職人の技術と技能を守るため、「職人育成塾」を立ち上げる。

2.具体的な取組:

・すべてが手探りのなか、(一財)建設業振興基金をはじめ、全国の工業高校やハローワークなど、公告、宣伝、ネット、口コミ等、考えられる依頼先へのアプローチや広報活動を全てやった結果、20~25名の入塾者を迎え、開講にこぎつけた。
・最初の1ヵ月は内装9種をまんべんなく学び、あとの1ヶ月は自ら選択した職種を専門的に学ぶ等、自分で選択するカリキュラムを作成。ポリテクカレッジや専門家、そして、創立メンバーの思いを併せた内容構成となっている。現在、講師は創立メンバーの会社の職長が担当するが、賛助メーカーの70社にも依頼をしている。
・運営には(一財)建設業振興基金の助成金を活用している。

3.今後の展望:
・現在は国からの補助金を受けているが、対象期間内にビジネスモデルを確立し、次の段階である新入社員研修を実施するため、認定訓練校の許可を申請中である。
・女性が仕事をする際に課題となる、家庭と仕事の両立を実現するため、朝が早い建設業に特化した、早い時間から開園する保育園設立に向けて動き出している。
・職人育成塾が、ドロップアウトした若者や学校教育が苦手な若者の再生の場とすることを目指している。

■内装業に特化した訓練機関を設立
・高松市を拠点とする内装・設備会社が共同で運営。専門工事業である内装業に特化した訓練機関として設立。地域の遊休施設となっていた小学校を改装した校舎を活用。
・一般社団法人として登録し、メンバー9社の資金と、助成金がおもな運営資金。キャリアアップ制度の助成金給付を目指し、認定訓練校許可を申請中。講師は育成塾の賛助メンバーの企業に所属する職人に依頼。担い手である職人の数が減少という危機感のもと、後継者育成に取り組んでいる。
・職人に光があたることを願って、商標登録「職人育成塾」とネーミング。建設業の技術継承に危機感を抱く全国の建設業の仲間に発信し、取組み拡大を目指す。

■塾生が自ら選択した職種の就職先を紹介
・約2ヵ月間の技能研修を経て、内装・設備の各職種に触れた塾生が自ら選択した職種の就職先を紹介。
・少子高齢化と過疎化の進行する地域建設業の技術継承を担う人づくり、建設業が魅力的な産業になるために「地域で育て、建設業を育てる」を実践中。

■女性の特性を活かして品質向上
・毎期、女性も入塾し、各社に就職し、建設業における女性活躍を実現。女性の特性である手先の器用さ、丁寧な仕上げという内装業に必要な品質向上に貢献している。



事業者プロフィール
事業者名 一般社団法人 職人育成塾 ― 人づくり ―
住所 〒761-1612 香川県高松市塩江町安原上東365
TEL -
代表理事 岡村 真史  (新日本建工株式会社 代表取締役社長)
資本金 -
URL http://www.shokuninjuku.com/
業種 -
世代交代時社長の年齢 -
売上高 -
公共・民間の比率(完工高ベース) -
社員数 -
常用外社員数 -
平均年齢 -
平均勤続年数 -
定年退職年齢 -