建設業の人材の育成を短期に行い、即戦力化できる教育体制を実現。地域に密着した人材育成を行い、地方都市の活性化、遊休施設の活用など、複数の課題解決を同時に行うデルタモデルを構築し、全国へ広げることで地域産業の活性化を目指している。

1.経営改善の契機:
職人は無口でしゃべるのが苦手な人が多く、技能や技術を体で覚えろと言われてきたから、きちんと組み立てて後輩に教えることができない。営業力もできず発信力もない。このままでは、産業構造の変化と少子高齢化で衰退していくと、職人の世界に危機感を持った。

2.具体的な取組:

・8年前、キャリア形成助成金を活用して、3か月間の新人教育施設である、テクノアウター板金技能訓練センターを創設。その後、国土交通省、沼田市及び各業界団体からの支援を受けて、2016年4月の開校につながった。
・一般社団法人化して、利根沼田テクノアカデミーを設立。群馬県の廃校利活用では地域再生戦略交付金の認定第1号になり、学校改修や訓練資機材購入資金に充てた。
・国土交通省、建設業振興基金からの支援は、地域創生、地域連携ネットワーク等を活用。開校にあたって広報活動にはステップアップ助成金を、教材作成には地域連携ネットワーク事業助成金を活用した。
・元々、自社で社員訓練していたのでカリキュラム、プログラムはほぼ出来上がっていた。さらにドローンコースもスタートさせた。
・業界組合や高校に募集をかけている。履修学生は、専門工事業者の入職者が対象。3カ月のOff-JTと5カ月の各企業でのOJTで構成。研修生の約3分の1が外国人技能実習生。4年経つと2級技能士受験資格ができる。瓦業と板金業など工種を組み合わせた多能工育成も手がけている。
・過疎化地域の山間部の30名が収容可能な施設であり研修期間、生徒はほぼ全員、宿舎に入る。実習は体育館と野外の運動場で行う。夜には、体育館で生徒同士、復習。市街地から遠く離れた山里で、訓練に集中できる環境。

3.今後の展望:
・職人が衰退しないよう次の手を打っていきたい。それには国外に出ていくしかない。今、留学生たちに教えながら関係づくりを構築中。

■産業構造の変化と少子高齢化で減少する職人を育成
・産業構造の変化と少子高齢化で減少する職人を集中的に訓練し、即戦力となる多能工人材を育成。多工種を学ぶなかから、研修生自身は、仕事に就きたい工種を自分の意志で選択。
・志を同じとする専門工事業の経営者が連携し、運営に参画。講師も務める。「瓦」「建築板金」「大工技能」「設備技能」という4つのコースを設定し、補助金制度を利用するために一般社団法人利根沼田テクノアカデミーを立ち上げた。

■多様な助成金制度の活用
・自社の社員を対象に手がけてきた社内訓練の実績をもとに、訓練プログラムを整備。また会計事務所に勤務した知識で、計数管理、生産管理を実践。人材開発支援助成金や建設労働者確保育成助成金など多様な国の助成金、地域行政の施設や人手を活用している。
・遊休施設(廃校利用)など、地域行政とのタイアップで運営しているが、現地は雪深い過疎地で、 施設利用期間は、4月~12月までという難点があるなど、運営課題は山積。

■入職1年目の若手と外国人技能実習生など多様研修生
・入職1年目の新人とフィリピンなどアジア諸国からも外国人技能実習生を対象として受け入れている。
・災害時に使用できるソーラーパネルと再生バッテリーを使った給電装置などの商品開発も手がける。 本商品は、アジア諸国からの研修生が、帰国後の事業として活用することも想定している。



事業者プロフィール
事業者名 一般社団法人 利根沼田テクノアカデミー
住所 〒378-0313 群馬県沼田市利根町日影南郷335-1
TEL -
校長 桑原 敏彦(株式会社テクノアウター 代表取締役会長)
資本金 -
URL http://www.t-academy.jp/
業種 -
世代交代時社長の年齢 -
売上高 -
公共・民間の比率(完工高ベース) -
社員数 -
常用外社員数 -
平均年齢 -
平均勤続年数 -
定年退職年齢 -