1959年会社創立。道路維持管理、一般土木を手がける。道南に位置する地域建設業として、除雪を含む道路維持管理、地域に密着する一般土木工事などを手がける。後継者である専務が経営マネジメントを含む現場マネジメントを行う。

1.経営改善の契機:
・石岡組では12、3年前から公共投資の減少とともに利益が減少。当時は、とにかく現場の仕事を取ってきて、どうにか無事に工事を完成させるという典型的な昔型の経営だった。建設投資が潤沢で恵まれた時代の経営のままでやってきて、建設投資の縮小に伴い、売り上げも減少という事例。
・過疎化地域で日常的に危機感を覚えていた。

2.具体的な取組:

・現場代理人は計画力、段取り力がすべて。現場代理人は、頭の中では具体的に工程をイメージして行っているが、それを工事の全体図として、詳細部分を伴った工程表として作っている人は少なかった。そこで、工程管理を導入して構造改善を2年間かけておこない、経営改善を実現。
・工程管理だけでなく、原価管理など様々な管理も導入。小規模な企業ほど、リソース管理が必要で月に2回、現場代理人の社員がメンバーの会議を開催して工事の報告やチェックを行う。
・工程管理、予算管理を社員同士で教育し合い作成。組織において工程管理などのマネジメントは、信頼関係のなかでやっていかないと決して実現しない。チーム力での運営が不可欠。

3.今後の展望:
・最近では、橋梁保守工事がメインになりつつある。橋梁保守は大きな投資が要らず、期間も短くて回転率が高く、技術力が要るので下請け工事であっても利益率が良い。元は他社がやっている工事の下請けで、技術を習得。今では3~7人のチームで道内のみでなく全国へ出かけていく。
・橋梁工事のノウハウが蓄積してきたので、今後は、元請け、下請けどちらも併せて、5~10倍に受注を増やしていきたい。維持メンテの時代に対応できる事業として期待。
・人を増やして教育することとそれに見合った受注確保を行うことが必要。
・今は、売り手市場で工業高校からの入職者は見込めない。
・中小企業においては、制約、制限だらけのなかで、いかに資源、人材のバランスをとりながら最適に経営をおこなっていくかが、ポイント。建設業にとってどういうマネジメントが最適か模索中。
・経営危機を克服した経験や工程管理の実践事例が参考事例になればと考え、機会があれば講演会などの講師として出かける。人に伝えることで自分の考えが整理できて、人からも教えてもらうことができる。

■着実なマネジメントに基づく安定した経営
・入社7年目に経営危機が発覚。経営改善前は、社員にも会社にも利益に関する意識が希薄で、現場作業員の人数は過剰、設備は貧弱。さらに工事完了には設定工期目いっぱいで完成、下請け任せ、といった問題が山積。そこで、小規模企業ほど、管理が重要だとして、工程管理を中心に技術者の意識と行動を改革してきた。また、社員同士の信頼関係を高めることを追求。

■工程管理(ネットワーク工程)で稼ぐ力を確保
・稼ぐ力を確保することを目指し、工程管理(ネットワーク工程)による施工スピードの向上と見える化によるリソースの適正配置による適正化、近年はそれに映像CIMを取り入れることで、見える化をより推し進めている。
・人材確保がより難しい過疎化する地域でのマネジメントとして、一人当たりの生産性の拡大を推し進めることで、売上向上と利益拡大を成し遂げている。
・工事部全員で徹底したネットワーク工程管理に取り組み、大幅な原価低減、粗利の拡大(10ポイント以上)によって、短期間で経営再建を実現。さらに技術者の特性を生かした適材適所の配置で企業全体の利益拡大を実現。実現した利益の成果を賃金の上積み、労働環境の整備に充て、生産性向上の好循環を創出する経営を目指している。

■橋梁保守技術への事業拡張で維持管理時代に対応
・従来の新規土木工事が減少し、維持管理工事が増加する時代に備えて、橋梁保守技術を習得して、新規事業を拡大



事業者プロフィール
事業者名 株式会社石岡組 ― 地域づくり ―
住所 〒041-0812 北海道松前郡福島町字月崎318-1
TEL 0139-47-2068
専務取締役 石岡 秀貴
資本金 41,800千円
URL http://www.ishiokagumi.co.jp/
業種 土木一式
世代交代時社長の年齢 40歳
売上高 550,000~800,000千円
公共・民間の比率(完工高ベース) 公共 95%、民間 5%
社員数

36名(技術者 10名、技能者 24名、事務職 2名)
男性 35名、女性1名

常用外社員数 8名
平均年齢 48歳
平均勤続年数 -
定年退職年齢 -