1998年に先代である父親が創業。給排水衛生設備工事を主軸として水道設備の企画・設計・施工・メンテナンスまでを手がけている。
近年、外部環境は激しく変化し、建設業界は厳しい状況にあるが、事業分野を広げることにより時代に適応して永続的に成長・発展していける企業を目指している。

1.経営改善の契機:
・工期が遅れたら休日でも現場にかけつけ、雨が降ったら休みになるという不安定な勤務形態や、給与も日給月給、社会保険未整備な状況に対して、現場でがんばっている職人さんの待遇改善と生産性向上のバランスを見極めながら、事業拡大。

2.具体的な取組:

・創業3年目頃、採用募集しても集まらず、中途退社も発生。そこで外国人実習制度を活用して、毎年、外国人を3人ずつ採用して、技術力と人材をバランスよく確保して仕事量を増やした。
・大手ハウスメーカーの仕事を受注したことで、仕事が増えた。水道業界は、マンションやアパートなどの集合住宅での工事が多いが、一戸建て住宅は、手間がかかり、敬遠する業者が多い中、一戸建ての水道設備をメインに受注。
・それぞれの市町村で許認可をもらわないといけない水道工事業にあって、愛知県全域50余りの市町村で許可を取得。愛知県下、どこでもすぐに工事できるということが強みとなった。さらに、道路の取り出し工事も全て受注するようになり、役所への申請もすべて取り扱うようになり、申請から工事まで一貫して手がける。

3.今後の展望:
・(一社)利根沼田テクノアカデミーなど新しい時代の職人育成や、近代的な経営を目指す経営者の取組みに参画。講師派遣業務を請け負うにあたって国土交通省などへも打合せに出向く。広がる活動から新たなアイデアが湧いてくる。
・90%以上が民間工事。家を1軒建てるには、水道工事業は市町村の役所に計画などの申請が必要。年間約1000軒の工事を受注するので、1000軒の役所への提出書類を作成するため、膨大な量の書類作成業務に追われていること。
・隣接する電気やガス工事を手がけ、総合設備事業者として受注できるよう準備中。

■建設業特有の課題に立ち向かった20年
・父親とともに創業して20年目。休みが自由に取れないなど、労働条件に無頓着だった職場環境の整備を手がけてきた。毎年、経営指針を社員に説明し、15年後をめどに売上高100億円の成長戦略を示すなど明確な経営目標を掲げ、コスト管理と作業の標準化による日々の生産管理に取り組む。

■ブルーオーシャンの把握で事業拡大
・各市町村の許認可が必要な水道工事業にあって、愛知県全域の水道工事指定工事店許可を取得。手間がかかり、敬遠する業者が多い中、一戸建ての水道設備をメインに受注。さらに、道路に設置した水道本管からの取り出し工事を手がけ、役所への申請手続きも扱い、申請業務から工事まで一貫して受注。

■新しい時代に必要な即戦力となる人材確保
・役所への書類届け出対応や現場監督などでは、女性社員が活躍。採用にも力を入れており、社員の平均年齢は、33歳と若い。教育制度の充実や人材育成にも力を入れている。
・新しい時代に対応した職人育成や近代的な経営を目指す若手経営者の活動にも参加。利根沼田テクノアカデミーに参画し、管工事の講師を派遣している。また、17年度からは、自社の新入社員を3ヵ月間、入学させ、即戦力として育成している。



事業者プロフィール
事業者名 株式会社菅原設備  ― 多様性 ―
住所 〒496-0034 愛知県津島市元寺町3-21-2
TEL 0567-24-1743
代表取締役 菅原 直樹
資本金 20,000千円
URL http://agile-innovation.co.jp/
業種 給排水設備業
世代交代時社長の年齢 39歳
売上高 855,643千円
公共・民間の比率(完工高ベース) 公共 5%、民間 95%
社員数

36名(技術者2名、技能者23名、事務職7名、営業2名ほか3名)
男性26名、女性10名

常用外社員数 3名
平均年齢 33歳
平均勤続年数 5年
定年退職年齢 60歳