工事測量が専門。建設業のIT化やレーザースキャンや3D測量に早い時期から注目し、3Dに関する各種ソフトの開発、商品開発を手がけてきた。新技術ではドローンなどを活用した測量技術開発を実現。
営業担当者と測量技術者がパッケージで出かけ、測量。3次元測量の開発、実施。北海道から沖縄まで全国どこへでも出かける。

1.経営改善の契機:
・現場から事務所に戻ってから書類作成に取りかかるので労働時間が非常に長く、残業時間も多かった。しかし、昼間はパソコンを誰も使わないので機械は空いているという状況が続いていた。

2.具体的な取組:

・女性の活躍に注目し、製図や図面確認 には、イメージが豊かで、細やかな女性が適しているとして、パート勤務のCADスタッフは20名余りが女性。
・パート社員がパソコンを活用してCAD図面を作成。社員が現場から戻れば図面ができているということで、非常に合理的な業務体制だとして、社内理解が広がった。
・パート社員の第1世代は、女性社員が主婦のCAD初心者の方々を指導。まず、図面を読むことから始めて、最後にはパソコンの操作まで学習するというもの。社内育成でスキルが身についた第一世代パートが、第2世代パートを講師となって育成。
・女性雇用を重視し、たとえ30分でも働きたい時間に働ける職場環境を目指した。休日取得も、勤務時間も、働く側の女性の予定や都合に合わせた勤務体制を実施。

3.今後の展望:
・自社で3Dやレーザースキャナー、ドローン技術のノウハウを蓄積してきた。それがコイシの測量技術の強みとなっている。男性社員は全員地上波レーザーを操作できる。建設業、測量機メーカーからもi-Construction導入について相談が入る。

■方針を明確にして技術力を高める
・創業以来、公共工事は請負わないという方針のもと、技術力を培ってきた。測量については地上波レーザーを15年前から、いち早く導入。大手鉄鋼メーカーやゼネコンからの工事測量も請負う。
・工事測量が専門。建設業のIT化やレーザースキャンや3D測量に早い時期から注目し、3Dに関する各種ソフトの開発、商品開発を手がけてきた。新技術ではドローンなどを活用した測量技術開発を実現。
・3Dレーザースキャナーを活かす高い技術力で複雑な、危険度の高い現場を計測している。2017年の激甚災害指定となった九州北部豪雨では、福岡県朝倉地区の水害地域で、3D測量による「机上査定」が採用された。対象地域が広大であり、災害現場へ入れないことから、3DCADでの現場測量を受託した。

■女性活躍のための細やかな雇用形態と環境づくり
・イメージが豊かで、繊細な女性の特性を活かして、緻密な製図や図面確認業務ではCADスタッフとして、パート勤務の女性たちが活躍している。
・女性は能力が高く優秀であるという社長の信念のもと、地元の主婦パートを募集。女性が働きやすい職場を目指し、育児を優先させたフレックス制で、1時間単位で自由に勤務できる勤務体制を実現。休日取得も勤務時間も働く女性の都合に合わせ、1ヵ月の夏休み休暇取得や子どもを同伴した勤務も可能。
・パート勤務のCADスタッフの教育では、OJTを実施。パート勤務の第2世代以降は、先輩のパートが講師となり、新人のパートを教育するという社内教育システムを実現。



事業者プロフィール
事業者名 株式会社コイシ ― 多様性 ―
住所 〒870-0126 大分県大分市大字横尾3617番2
TEL 097-506-0400
代表取締役 小原 文男
資本金 20,000千円
URL http://www.koishi.co.jp/
業種 建設業
世代交代時社長の年齢 -
売上高 370,650千円
公共・民間の比率(完工高ベース) 公共 3%、民間 97%
社員数

22名(技術者20名、事務職2名)
男性33名、女性26名

常用外社員数 35名(パートタイム19名。その他16名)
平均年齢 41.7歳
平均勤続年数 4.2年
定年退職年齢 60歳