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親族内承継の事例

株式会社荒井建材

業績の立て直しにより、関係者の理解と協力を得て事業承継

事業承継期間 事業承継を考えはじめてから社長交代までの期間・・・5年
事業承継を考え始めてから株式の承継完了までの期間・・・未完了
キーワード 関係者への説明・理解 / 組織の再編・経営体制の立て直し

事業承継に取り組んだきっかけ

~業績の立て直しを機にした事業承継~
先代(創業者)が75歳を越えたころから、事業承継については常に頭にはあったが、当時の業績が厳しかったこともあり、まだ息子には任せられないと考え、その状態で数年が経過していた。 一方、先代の息子である現社長は、当時、副社長として、実質的には経営の意思決定を担っていた。当時、赤字体質だった経営を立て直し、黒字転換を図ったことで、金融機関等の外部からの後押しあり、先代も社長交代に同意し、本人も自信をつけての社長交代となった。



取り組み内容

現社長は、代表取締役就任の数年前より、副社長として、当時赤字だった経営の立て直しを図ってきた。黒字転換を果たして3年が経過し、親族および従業員、取引先等の信頼も得たことから、2018年に代表取締役に就任した。主力事業は砕石事業であるが、砕石だけでは収益力が弱いことから、現社長のもと、土木部門の再強化にも取り組むなど、事業承継と経営改善を一体的に進めた。



事業承継の流れ

STEP.1
平成25年頃・・・先代の年齢と病気を機に実質的な経営の意思決定は副社長(現社長)へ

先代の年齢と病気を機に、当時約50歳で息子(長男)が副社長に就任し、実質的な経営の意思決定を担うことになった。とはいえ、当時、業績が厳しく、有利子負債が膨らんだ状況の中で、個人保証を伴う代表権の交代には、先代の側が躊躇していた。

STEP.2
承継前の約3年間・・・後継者世代での経営改善

実質的な経営の意思決定を担った副社長を中心に、赤字体質だった経営を立て直し、黒字転換を図った。現社長の弟、妹も会社に在籍しており、関係性が良好であることから、役割分担をしながら、経営改善を進められたことも大きい。

STEP.3
承継前の約1年間・・・金融機関等の協力も得て、先代社長の納得を得た

一番のネックは、先代社長の納得を得ることだった。先代社長には、まだまだ元気で自分がやりたいという気持ちや、財務内容が健全化するまでは、息子には任せられないという気持ちがあったと思われる。業績の立て直しにより、関係者の協力・後押しもあり、先代社長の同意につなげた。

STEP.4
承継~現在・・・株式の移転

約1年前に代表取締役を交代したが、現在も株式の60%を先代社長、約10%を先代社長の妻が保有している。直近3期は黒字になっており、財務内容の健全化が見えてきた中で、株式の承継をどのようにしていくかについて、議論を始めたところである。

今後の課題展望 - 株式の承継に向けた意見交換をスタート

現在は、会長夫婦と、現社長および弟・妹と共に、株式の承継に向けた意見交換をスタートしたところである。3名の兄弟妹間での株式やその他の資産の分配をどのようにするか、第三者としての専門家を交えることで、冷静な議論が可能であり、専門的なアドバイスを得ながら、進めている。



事例における事業承継のポイント

(1)親族内承継という既定路線に加え、業績の立て直しにより関係者の理解を得たこと
(2)金融機関等の外部関係者を巻き込みながら、先代社長の納得を得たこと



これから事業承継に取り組む方へのメッセージ - 代表取締役 荒井義信

代表取締役の交代時、先代社長は80代半ば、後継者である自分は50代半ばとなっていました。先代社長が高齢になるにつれ、事業承継の必要性は感じていましたが、実際に進めていくには時間が必要となり、早めの着手が重要であると思います。また、当事者同士だけでは話が進まないことも多く、専門家や金融機関等の関係者を巻き込んでいくことの重要性を感じます。



企業プロフィール

企業名 株式会社荒井建材
住所 山梨県南アルプス市六科1107番地の2
代表者名 代表取締役 荒井義信
資本金 10,000千円
売上高 -
従業員数 27人
業種 砕石業、建設(土木工事)業
備考 -
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