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親族内承継の事例

友田建設株式会社

中長期的な視点から事業戦略の策定と実行体制の構築を新旧トップマネジメントが協力して実施行

事業承継期間 事業承継を考えはじめてから社長交代までの期間・・・3年
事業承継を考え始めてから株式の承継完了までの期間・・・3年
キーワード 後継者の育成方法 / 承継時期・年齢 / 組織の再編・経営体制の立て直し

事業承継に取り組んだきっかけ

~公共工事の縮減や発注方式の改革など事業環境の大幅な変化~
1)平成20年代になってから、建築及び土木分野ともに公共と民間の両方で新しい建築物や構築物の建設が大幅に減少し、更に公共工事は発注・入札方式の変更もあって受注面・営業面・施工面で事業遂行の方向を変革する必要が出てきた。
2)官公庁発注工事については一般競争入札と総合評価方式に対応するべく、同業他社に先んじて現場技術者全員が1級土木施工管理技士もしくは1級建築施工管理技士の資格を取得することなどによって技術面の充実を図るとともに、民間分野でも提案営業を重視した取り組みを開始した。



取り組み内容

1)当社は一級建築士でもあった現社長の祖父が、昭和19年に建築中心の建設会社を創業したことに始まり、建築と土木の両分野の技術者であった現会長(現社長の実父)が、高度経済成長期のインフラ整備の波に乗って公共工事を中心とする土木工事分野に進出し、建築と土木の両分野で事業を推進する体制を構築した。
2)平成20年代になると公共建設投資が平成4年のピーク時から半減するなど公共分野・民間分野ともに建設需要が大幅に減少する一方、高度経済成長期に建設された建築物や土木構造物の維持・修繕の需要増加など著しい事業環境の変化があり、それらに対応するため社内体制を整備する取り組みに着手した。



事業承継の流れ

STEP.1
平成21~22年頃(10年前:社長交代の3年前)・・・事業環境の変化への対応

1)公共分野・民間分野ともに建設需要が大幅に減少した影響を受けて、受注高・売上高が減少し、収益・財務面が厳しい状況に陥った。
2)事業環境の変化を分析して、建築・土木とも維持修繕工事に対応するとともに公共工事の新たな発注方式に対応する体制を構築した。

STEP.2
平成23~24年(2年前)・・・後継者(現社長)を中心とした事業推進体制の整備

1)建築・土木ともに官公庁工事を総合評価方式で受注するなど、受注と施工の両面で、後継者を中心とした社内技術者の体制を整備
2)関西電力をはじめとした民間企業からの受注も確保するとともに、経営管理面の体制も整備して事業承継の準備を進めた。

STEP.3
平成24年11月(社長交代)・・・社長交代に伴う社内外への対応

1)代表者の変更に伴う、官公庁や取引先、金融機関などの諸手続きの実行。
2)顧客や外注先などの取引先に対して、代表者は交代したものの前社長は会長として引き続き新社長をバックアップする旨を周知。

STEP.4
平成25年~27年・・・会社の資産・負債のみならず個人保有の資産等の相続問題の整理

1)金融機関取引に係る保証及び個人保有資産の担保差入等に係る対応
2)先々代名義の不動産など、資産の相続に関する問題・課題の解決

STEP.5
平成28年~平成31年・・・前社長からの完全なる権限移譲と新しい経営体制の社内外での認知

1)景気回復基調にも支えられ、直近10年で過去最高の売上高と営業利益を達成し、社内外における新社長を中心とした経営体制の認知。
2)働き方改革など新しい建設業への変革を迫られている中、地元への地域貢献という信念のもと、採用活動を地道に行う。

今後の課題展望
承継後の事業強化-中長期的視点から事業戦略面・経営管理面で社長をサポートする人材の育成

事業承継後については、以下に取り組むこととしている。
1)土木構造物や建築物の維持管理業務の分野において継続受注を図るべく、きめ細やかなワンストップサービスを心掛ける。
2)他社の追随を許さないように、更に技術・ノウハウの「強み」を磨いていくことが重要と考える
3)このことによって、高齢者や女性でも働きやすい職場環境につながり、無理をしない経営を心掛けることで緩やかに伸び続ける企業風土の構築につなげていく。



事例における事業承継のポイント

(1)後継者の早期の決定と人材育成
(2)社内及び社外での後継者の認知
(3)事業承継後の経営体制整備



これから事業承継に取り組む方へのメッセージ - 友田 匡則

1)大学卒業後、平成4年に大和ハウス工業に入社。平成7年に帰郷して友田建設に入社。青年会議所活動、PTA活動、自治会活動等々を通じて社外にもつながりを持ちながら、平成24年の43歳で代表取締役に就任。
2)現会長(前社長)が元気なうちに承継準備を進めることで、スムーズに社内外において事業承継の周知・認知が図れた。承継後は速やかに殆どの決済を新社長に移譲することで、法人として安心感を持ってもらうことができた。



企業プロフィール

企業名 友田建設株式会社
住所 豊岡市大礒町4番5号
代表者名 友田匡則 
資本金 33,000千円
売上高 458,264千円
従業員数 20人
業種 土木、建築、とび・土工・コンクリート工、管、舗装、塗装、解体
備考 現社長:H24年11月就任
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