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親族内承継の事例

B社

本社の移転を契機にした経営組織の刷新と経営管理能力を身につけた子息への早期の事業承継

事業承継期間 事業承継を考えはじめてから社長交代までの期間・・・17年
事業承継を考え始めてから株式の承継完了までの期間・・・17年
キーワード 自社及び経営者個人の現状把握 / 後継者の選定方法 / 後継者の育成方法 / 組織の再編・経営体制の立て直し / 建設業許可要件の引継ぎ

事業承継に取り組んだきっかけ

~関連会社の代表取締役を当社の社長に就任させた親族内承継~
自らの定年を60歳と決めた創業者は、関連会社(建設業)を設立し、息子を代表取締役に就任させる。当社の下請だけではなく、自ら取引先を開拓するなど、積極的な受注活動を展開し、経営状況は良好に推移する。関連会社で経営管理能力を向上させた息子は、当社の本店移転を機に、代表取締役に就任し、新たな組織体制のトップとなる。本店、支店、営業所を見直し、土木・建築の総合建設業から、土木に特化した経営戦略を展開することになった。



取り組み内容

当社の「経営業務管理責任者」は、創業以来、取締役に就任している社長の右腕であるN氏である。社長と同年代であり、後継者である息子にとっては親同様の年代である。そのため、社長は、実質的な経営業務の全般的管理者として、また、対外的責任者として息子を当社の代表取締役(社長)として就任させるには、当社の内部管理者等の同意を得ることが必要であると判断する。関連会社の社長としての経営経験を積ませ、当社を後継させることにした。



事業承継の流れ

STEP.1
社長交代の17年前・・・増資・従業員持株会による株主構成の工夫
子息を代表取締役とするため、増資し、従業員持株会を発足させるなど、当社の株主の構成を工夫する。一方で、関連会社(建設業)を設立し、子息を代表取締役に就任させ、当社の事業承継のための基盤づくりを行う。
STEP.2
社長交代の1年前・・・本店移転に伴う支店及び営業所の見直し

従来の「総合建設業」としての戦略から、「土木工事専門業」としての新たな事業戦略を展開するため、また、地域に根ざした建設業として営業力の強化を図るため、事業組織を見直し、経営組織の強化及び組織開発を行う。

STEP.3
社長交代時・・・経営トップとしての代表取締役の交代

当社の関連会社において、建設業の経営経験を積み重ね、良好な経営実績を残した関連会社の社長(息子)を当社の代表取締役に就任させる。これに伴い、当社の代表取締役は退任し、経営権のすべてを息子に委譲する。

今後の課題展望-新たな事業戦略に従う新たな経営組織により承継後事業を展開

創業以来、「総合建設業」として、高度な技術・高品質な施工によって、業界をリードするまでに成長してきた。事業承継の今後は、多くの「水」に関する社会性・公共性の高い工事を中心に、「土木工事専業」としての新たな事業を展開する。組織開発によって、新たな経営組織を構築し、当社従業員及び協力業者の家族も含め、国民の豊かな生活に寄与し、あわせて国土強靱化に寄与する事業活動を展開し、社会に貢献できる企業であり続ける「継続企業体」を構成する。



事例における事業承継のポイント

(1)次期後継者が実質的な「全般的経営管理者」として、社内管理者等において承認されることが必要である。
(2)経営管理に必要な知識・経験を積み、良好な経営成績を残すことによって、社長の息子という主観が排除され、客観的な適任者として受入れられる。
(3)新たな事業展開・新たな組織づくりを機に、代表取締役を変更し、事業を承継し、ステークホルダーの共感を得る。



これから事業承継に取り組む方へのメッセージ - 前経営者

中堅ゼネコン会社に勤務していたが、1980年に独立・創業。自ら60歳定年を宣言し、息子に社長を交代し、事業承継することを計画する。創業以来順調に経営成績が推移し、100億円完成工事高を目標としてきたが、その途中で経営者を交代する。息子の経営能力を向上させるため、関連会社を設立し、その会社の経営を任せる。本体である当社を任せる前に、関連会社、規模の小さな会社を任せることも必要である。



企業プロフィール

企業名 B社
住所 -
代表者名 -
資本金 2億1500万円
売上高 約50億円
従業員数 約45人
業種 土木、舗装
備考 -
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