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親族内承継の事例

D社

後継者の営業面の能力不足を組織的経営により補完 子息2人を活かす分社化へ

事業承継期間 事業承継を考えはじめてから社長交代までの期間・・・3年
事業承継を考え始めてから株式の承継完了までの期間・・・4年
キーワード 後継者の選定方法 / 後継者の育成方法 / 承継時期・年齢 / 株式の集中・財産の分配

事業承継に取り組んだきっかけ

~創業者が高齢化する中、後継者の選定が遅れ兄弟仲が悪化~
創業者(前経営者)の子息2人が会社に在籍していたが、どちらも継者候補としては能力に不安があったため、創業者が80歳になるまで後継者の選定ができずにいた。そのような状況が続く中で、2人の兄弟の関係性が悪化し、次第に業務にまで支障をきたすようになった。子息2人の勤務地を同じにできないという課題も抱えつつ、事業承継に早急に取り組むこととなった。



取り組み内容

2人の子息(後継候補者)の能力には不安があったため、経営者個人による人的経営から組織的経営へ転換すべく、事業部門の利益管理体制等の見直しを行い、事業計画を作成した。 その後、後継者を長男に決定。長男は営業力不足ではあったが、現業の従業員を営業部に配置換えする等、営業力不足を補う対策を講じた。 また、子息2人の関係性を考慮し、長男は後継者として自社に残し、次男は分社化する隣接県で分社化して独立させることとなった。



事業承継の流れ

STEP.1
社長交代の2年前・・・事業承継に備えて事業部門の見直しを実施

人的経営から組織的経営に移行する為の準備作業を開始した。 具体的には、利益管理体制及び各業務責任者を明確にした「事業計画書」を作成した。

STEP.2
社長交代の1年前・・・兄弟の1人を分社化し、独立させ、後継者を一人に絞り込んだ。
自社の後継者は長男に決定し、次男は分社にて独立

事業計画書の作成から実行にあたり、兄弟の意見の対立が激しくなった頃、後継者を長男とすることを正式に決定し、社内外に周知した。また、それに伴い、会社を分社化し、その分社の経営を次男に委ねる方針と決定した。

STEP.3
社長交代時・・・経営者の交代(金融機関・従業員等の了解を得て実施)金融機関・従業員の了承を得て社長交代へ

営業部長の下に現業より一人事務所勤務にして社長の営業力の不足分を補う対策を実施した。各部署の幹部及び作業員等の理解が得られた。メインバンク等の担当者の理解も得られて実施できた。 後継者である長男は営業力に不安があったが、現業の従業員を営業部に配置換えする等の対策を講じた。各部署の幹部及び作業員やメインバンク等の担当者の理解も得られたため、社長交代に踏み切った。

STEP.4s
社長交代の4年後・・会社の業績回復と併せて創業者の連来保証の解除及び生前贈与も完了

分社化には多くの費用を要したが、営業チームの努力等も有り、特需の発生及び大型機械の中古販売が大きな利益を確保し、業績が大幅に改善した。その結果、事業承継が関係各方面から承認された格好となった。 また、行政気回復に伴い、金融機関と交渉をしたところ、創業者の連帯保証の解除もでき、更に、計画的生前贈与により、現経営者(長男)への株式集中もできた。

今後の課題展望-次世代への引継ぎを意識

創業者の事業承継が遅れた分、現社長は既に58歳となり、次の事業承継者を選定~育成する年齢となっているが、その業務はまだできていない。家族経営の企業であることもあり、早急な選定~育成着手が必要であるが、今だ後継候補は確定していない状況にある。



事例における事業承継のポイント

(1)子息が2名上在籍している場合は、出来るだけ早い段階で後継を指名し、社長を譲り、代表権のある会長等の立場で実質的な経営者として事業承継のための次期社長の経営者教育を実施すべきであった。(反省として)
(2)万能な事業承継者はいないので能力不足を人材の配置(本人の希望を入れて)ので補うことも重要な仕事である。
(3)事業承継後の業績改善は本人の経営者としての自信に繋がる(良い会社にして承継するのではなく、共同作業で良い業績にすることが重要である、と思われる。)



これから事業承継に取り組む方へのメッセージ

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企業プロフィール

企業名 D社
住所 -
代表者名 -
資本金 2000万
売上高 5億
従業員数 38人
業種 建設機械リース及び自動車整備業、土木工事業(地盤改良及び公共土木工事等)、産業廃棄物処理等
備考 -
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