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従業員承継の事例

株式会社栃建

事前に社内外の認知・承認を得ることにより、円滑な従業員承継を実現

事業承継期間 事業承継を考えはじめてから社長交代までの期間・・・5年
事業承継を考え始めてから株式の承継完了までの期間・・・3年(全株取得まで)
キーワード 後継者の選定方法 / 関係者への説明・理解 / 建設業許可要件の引継ぎ

事業承継に取り組んだきっかけ

~前代表者の高齢化及び病気療養をきっかけに事業承継への本格的な取り組みを開始~
社長(当時の経営者)が65歳を過ぎたころ、前社長の高齢化により後継者探しが始まった。前社長は親族内に承継することは全く考えておらず、親族外承継を望んでいた。そのため、社内で後継者を選定し、当時の部長であった2名が候補者となった。ちょうどその時期に、前経営者の高齢化により急な病気療養の必要性が生じて、事業承継への本格的な取組を開始することとなった。



取り組み内容

候補者2名のこれまでの実績や組織を統括するものとしてのリーダーシップを鑑みて、1名を次期経営者として指名した。それと同時に、その後継者を取締役に就任させ、会社の全株の10%を譲渡した。後継者は取締役を4年経験した後、専務取締役を1年経験することで、「経営業務管理責任者」としての要件を満たし、代表取締役に就任した。このように、社長交代の5年前には、後継者を取締役に就任させて次期経営者として社内周知も行っていたため、従業員からの反発もなく、十分に承認を受けた上で、事業承継が実現した。



事業承継の流れ

STEP.1
社長交代の6年前・・・後継者候補として2名の部長へ打診

前社長の高齢化や病気療養により後継者探しが始まった。前社長は親族外承継を望み、社内から候補者2人を絞り込んだ。

STEP.2
社長交代の5年前・・・後継者の決定と取締役への就任

候補者であった2名のうち1名を正式に後継者として指名し、本人の承諾を得ることができた。それと同時に、後継者を取締役に就任させ、全株の10%を譲渡した。 それから、株主総会後の懇親会で取締役就任が発表され、後継者として従業員から認知されることとなった。

STEP.3
社長交代の1年前・・・専務取締役就任と外部取引関係者への周知

後継者の専務取締役就任に際し、社長交代を見据えて、元請会社や協力会社及び取引金融機関への周知を行った。これによって、社内外で後継者が承認される環境が整い、社長交代が円滑に進む結果となった。

STEP.4
社長交代時~・・・社長交代と株式の承継完了

社長交代後、3年間かけて後継者が全株式を引き受けた。

今後の課題展望 - 受注分散のための経営へ舵取り

現社長が会社を引き継いだ時点で、借入金や繰越損失があり債務超過の状態であった。それから震災等があり受注が大幅に減少したが、現在は太陽光発電事業への転換や受注回復にて、業績はV字回復している。 今後は、受注先のリスク分散のため、太陽光発電事業を行うとともに、公共工事指名入札へ参加し土木事業への充実を図る方針である。また、人材の育成・確保のため、外国人雇用を含めた人材確保への検討を行う。



事例における事業承継のポイント

社内から承継候補を選ぶこととなったが、短期間で1人に絞り込み、社長交代前に社内外の同意を得ることで、スムーズな承継が可能となった。



これから事業承継に取り組む方へのメッセージ - 現代表者 丸山 一夫

・丸山一夫氏は北海道出身で昭和61年に土木技術者として当社に入社して以来勤務しています。
・公的支援機関の相談支援機関への利用したほうが良です。
・従業員の雇用確保や事業への協力が必要と感じました。
・取引先や金融機関の協力と理解が必要です。
・長期(少なくても5年以上)に亘る事業承継計画の必要性がありと思います。



企業プロフィール

企業名 株式会社栃建
住所 栃木県宇都宮市鶴田町167
代表者名 丸山一夫
資本金 13,000千円
売上高 108,094千円
従業員数 16人
業種 土木工事、電気工事
備考 -
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