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M&Aの事例

株式会社三谷組

既存の営業エリアを超えた建設業のM&A

事業承継期間 事業承継を考えはじめてから社長交代までの期間・・・2年
事業承継を考え始めてから株式の承継完了までの期間・・・-
キーワード 組織の再編・経営体制の立て直し

事業承継に取り組んだきっかけ

~中長期的な会社の発展のために他の建設会社の経営資源の獲得~
株式会社三谷組(以下、「買収企業」という)は、高知県に本店が所在している総合建設業である。買収会社は受注のすべてが高知県内であり、土木、建築工事を中心に完成工事高の80%程度が公共事業となっている。現時点では、高知県内において順調に公共事業が受注できているものの、中長期的な会社の発展のためには、公共事業依存度を低下させるとともに、高知県外での受注機会を拡大していく必要がある。そこで、高知県外の建設業者を買収することによって、県外受注及び民間受注を増加させていく方針である。 被買収会社は、中国地方に本店所在地を有する総合建設業であり、土木工事を中心に、元請・下請それぞれ受注している形態である。また、被買収会社は港湾土木の工事を受注しており、買収会社でも港湾土木を受注しているため、両者のシナジー効果が見込まれる。また、被買収会社は港湾土木を営むために、船舶・船員を保有しており、買収会社はこれらを外注に頼っているため、将来的には買収会社が受注した工事を被買収会社が受注することも可能になり、業務のすそ野を広げることが期待できる。



取り組み内容

被買収会社が創業者の息子に事業承継したものの、公共事業の経営を継続していく方針が薄れてきており、買収企業を探していたところ、M&A仲介会社の紹介で買収企業と知り合い売却するに至った。



事業承継の流れ

STEP.1
M&A実行の2年前・・・被買収会社の売却の検討

M&A仲介会社と接触し、会社の売却を具体的な検討を行った。会社売却を行うにあたって、M&A仲介会社の協力の下、売却条件、企業概要書等の作成を実施した。

STEP.2
M&A実行の1年前・・・買収会社との面談

M&A仲介会社の紹介により買収会社と面談し、具体的な会社売却を実施した。双方の会社訪問、現場訪問などを実施し、買収会社の経営陣紹介、経営方針の確認等を実施し、信頼関係を構築した。

STEP.3
M&A実行の数カ月前・・・買収調査等、会社売却の具体化

買収会社が買収調査を実施し、M&A仲介会社の仲介の下、会社売却の具体的な条件及びスケジュールを決定し、基本合意書、株式譲渡契約書等の締結手続を実施した。

STEP.4
M&A実行・・・株式譲渡契約の実行

買収会社に対して株式譲渡契約を締結し、被買収会社の役員交代、業務引継ぎ、従業員、利害関係者等への報告を実施し、正式にM&Aが成立した。

STEP.5
M&A実行の1年後~・・・買収会社の経営改善

被買収会社が実施していたいわゆるどんぶり勘定による経営管理から、工事毎の損益管理を適切に実施し、経営幹部を中心として従業員が主体的に会社経営に参画することによって、会社の状況を見える化し、被買収会社を黒字体質に経営改善している。

今後の課題展望 - 企業グループの更なる発展を目指す

まずは、被買収会社の経営改善を行い、安定的に黒字化できる体制を構築する。その後、買収会社と共同で実施する工事(買収会社が元請、被買収会社が下請など)を増加させ、両者のシナジー効果を享受できるようにする。その後、下請受注を中心に日本全国どこでも工事を受注できる体制を目指し、その中で必要があれば、他の建設会社を買収することなどを検討し、業容を拡大させることを目指す。



事例における事業承継のポイント

(1)先代経営者と後継者の経営方針が異なる場合の事業承継事例
(2)地域をまたがる建設業のM&A
(3)地域をまたいで複数の建設業を経営する経営管理



これから事業承継に取り組む方へのメッセージ - 三谷 修一(現経営者)

経営者は、立命館大学を卒業後、高知県の大手建設会社に就職し、そこで経営者としての経験を積み、2011年6月に株式会社三谷組代表取締役に就任した。 株式会社三谷組は元々下請け中心の会社であったが、同じ県内の株式会社杉本建設や宮田建設株式会社と経営統合を行い、業容を拡大し、高知県ではトップクラスの建設会社となった。今回、県外に本社を有する建設会社を買収することによって、はじめて県外に進出し、今後、全国さまざまな地域で貢献できる建設会社となるために努力している。



企業プロフィール

企業名 株式会社三谷組
住所 高知県高知市中宝永町5番21号
代表者名 三谷 修一
資本金 20百万円
売上高 1,420百万円
従業員数 63人
業種 総合建設業
備考 -
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