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うまく引き継げなかった事例

D社

古参従業員の反発により業績の立て直しが図れなかった事例

キーワード 親族内や従業員 / 取引先の理解が得られていない

内容

親族内に承継者がいなかったため、信頼のおける従業員を社長に据えたが、新社長は当社での在籍年数が短く、古参の従業員から「よそ者が急に社長になった」との反発が大きかった。 新社長は本業(土木)の経験値や経営の意思決定においても高い能力を有していた。また公共工事の減少によりすでに業績が悪化していたが、そのような状況下で新社長は個人保証も負っての代表就任だった。しかし、他の役員や幹部は当時の経営状況を知らされておらず、新社長が業績改善のために様々な施策をうつも、従業員は反発するばかりであった。退任した先代(オーナーとして株を保有)が、その後も幹部人事を握り、影響力をもっていたことも大きい。従業員の意識を変えられず、業績の立て直しが図れなかった結果、自力での再生を断念し、現在は、外部スポンサーからの出資により経営権が移行している。


上記のようなことを招かないためには…

・従業員承継は他の従業員からの反発が大きく、後継者が優秀か否かだけではなく、心情の問題があるため慎重な対応が必要(建設業は人に依存しているビジネスであり、離反やモチベーション低下のリスクを考慮する必要がある)。
・事業承継の事前準備として、企業の経営状況の実態把握と幹部への適切な開示が必要だろう。
・退任した先代の役割を明確にし、後継者に任せるべきところは任せていくスタンスを徹底していくことが重要。


企業プロフィール

企業名 D社
資本金 2,100万円
売上高 約7億円
従業員数 約25人
業績 土木工事業
備考 -
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