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うまく引き継げなかった事例

G社

親族内で事業の継承と相続関係の問題の話し合いと課題の整理ができない

キーワード 後継者が見つからない / 個人保証や担保の処理方法が定まらない / その他(親族内で事業の継承と相続関係の問題が整理できていない)

内容

1)当社は、昭和12年創業の船舶関連の内装工事や船舶居住区舗装工事などを手掛ける老舗企業であるが、近年は船舶関連の需要が低迷しているためにゼネコンの下請受注によってマンションやオフィス・商業施設などの建築物の内装工事を手掛けているものの、収益面が厳しい状況が続いている。
2)社長は取引金融機関から経営改善計画の策定を求められたことから、建設業経営戦略アドバイザリー事業の相談支援を申し込まれた。社長が高齢(74歳)で子供がないものの、社内に30歳代の2名の甥が居て現場業務に従事していることから、アドバイザー(中小企業診断士)は甥を後継者候補として経営改善計画と併せて事業承継計画の策定を提案した。
3)当社は創業以来、親族による同族経営にて事業を推進してきた。現社長が、甥を社員として迎え入れた際は、後継者候補として採用したものである。
4)アドバイザーが2名の甥と面談した結果、2名共に創業者(甥の曽祖父)から、自分達には過剰な債務を引き受ける意思がないことを表明された。祖父の時代は事業が順調に推移して金融機関からの負債も僅少であったにもかかわらず、現社長になってから業績不振・債務過剰に陥ってしまったためである。


上記のようなことを招かないためには…

2名の甥を後継者候補として迎え入れたものの、社長の「想い」を伝えることも、後継者候補として教育することも行わないまま10数年が経過している。即ち、親族内でも「阿吽の呼吸」で社長の「想い」理解してもらうことは困難であり、日常的な事業面の課題と併せて、事業承継についても十分な議論をして早期に準備をしておくべきである。


企業プロフィール

企業名 G社
資本金 3,000万円
売上高 2億4,773千円
従業員数 8名
業績 内装仕上工事業
備考 後継者候補に累積した債務を継承する意思がない。
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