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うまく引き継げなかった事例

H社

後継者の人材育成ができていない状況で肩書きだけ引き継ぐこととなった事例

キーワード 個人保証や担保の処理方法が定まらない / その他(形式だけの社長交代で、実態が伴っていない)

内容

1)当社は、前社長が昭和47年に創業したクレーン建設業(建設揚重業)の建設企業であり、移動式クレーンを使用して土木工事、建築工事、プラント工事、鉄骨工事、橋梁工事などの建設資材の配置や鉄骨の組み立て、機械器具設置据付工事などの建設工事に付随する作業を請負う専門工事者である。
2)前社長は、クレーン作業のみならず鋼矢板・H鋼等の圧入打設・引抜き・支保工組立・解体工事などを手掛けて、大手ゼネコンからの下請ではあるものの一時は4億円超の売上高を計上した。しかし、近時は公共工事の縮減などの影響を受けて1億円前後の売上高に縮小している。
3)前社長の積極的な事業拡大に伴う設備投資々金の調達を金融機関に依存してきたことによって、企業は過剰債務に陥った。加えて、社長が高齢(75歳)になったことから、後継者である長男(専務取締役、48歳)に経営改善などの施策を任せることにした。しかし、後継者の教育が出来ておらず、単なる肩書きの交代に留まり、金融機関との折衝等は引き続き前社長が行わざるを得ない状況となっている。


上記のようなことを招かないためには…

1)後継者であった現・社長(48歳)は高校卒業後に当社に入社して前社長と共にクレーン建設業(建設揚重業)の業務に携わり、早くから後継者候補であることを意識してきた。
2)しかし、現場作業を中心とした業務への対応に終始して事業面の施策の検討や経営組織の整備、設備投資に伴う資金調達などの経営管理面の業務は専ら前社長が携わってきた経緯がある。
3)経営管理業務は一朝一夕に遂行できるものではなく、少なくとも4~5年を掛けて後継者教育として計画的に実施する必要がある。


企業プロフィール

企業名 H社
資本金 2,000万円
売上高 9,122万円
従業員数 9名(うち、役員5名)
業績 とび・土工工事業(建設揚重業:クレーン建設業)
備考 H30年10月:社長交代
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